夏マグロ

一目でわかる!天然・養殖まぐろの産地図式。天然まぐろと養殖まぐろ

 

ネットでもマグロが販売されるようになりましたが、各店舗が独自色を出すために様々なネーミングがありますよね。

自店でいえば「浪速の台所 黒門市場」、他例を挙げると「生マグロ専門店」「天然本マグロ専門店」「高級マグロ専門店」「築地直送」「気仙沼の産地直送」「三崎まぐろ」「清水、焼津直送」「紀州勝浦産地直送」など色々あります。マグロも多種多様あるのでわかりやすいように図式にしました。

『天然マグロ』の場合、

「生マグロ」と呼ばれるもの
[本マグロ=黒マグロ][ミナミマグロ=インドマグロ][メバチマグロ][キハダマグロ][ビンナガマグロ]の5種類。

「冷凍マグロ」も同じく5種類あります。

『養殖マグロ』の場合は少し違って、

「生マグロ」は、[本マグロ=黒マグロ][ミナミマグロ=インドマグロ][キハダマグロ]の3種類。
キハダマグロは馴染みがないですが、最近メキシコで養殖されています。

「冷凍マグロ」では、[本マグロ=黒マグロ][ミナミマグロ=インドマグロ] の2種類になります。
以前は [メバチマグロ][キハダマグロ]もありましたが、採算が合わないためにほとんど見かけません。

中でも産地もたくさんある高級マグロとして、
代表的な[本マグロ=黒マグロ][ミナミマグロ=インドマグロ]を、皆様に判るように詳細に図式にしてみました。

◆ 本まぐろ(黒まぐろ)の図式

 

{1}… 天然近海本マグロ生 vs 養殖マグロ生

ここはあくまで2つを比べた白黒の決着ですので・・・

「香り」
よく近海の場合、食べた時に微妙な香りを醸し出すともいいますよね。
やはり微妙な香りがあるのは近海だけでしょう。とろの部分を炙って食べてみると一目瞭然です。
近海の場合は香りがあり、むやみに脂が滴り落ちない。逆に養殖に場合は香りもしませんし、脂がやけに滴り落ちます。

「色あい」
近海はどちらかと言えば、赤っぽく見えますが地脂がある。養殖はピンクや白っぽいモノも多い。

「色変わり」
近海は良品であれば2週間ぐらい持つモノもあります。
養殖は良品であれば3日間。身質が悪いと1日で変色してします。しかし初期よりも数段色持ちするようになりました。沖縄、奄美諸島、メキシコ産の80kg以上の大型の中には変色しにくいモノもあります。

「旨み」=「脂質」
旨み=脂質が良いことになりますが、白黒はっきりさせるならば有ると無いになります。

「身質」
近海モノは大海原を泳いでいるので、肉質も締まっており、比較的かっちりしています。但し近海モノも場合150k以上のマグロに肉質の締まったものが多い。100k以下のモノは比較的身質は柔らかい。養殖は直径50mの生け簀で飼育されるので、必然的に運動量は落ち、肉質も柔らかく、脂肪(脂)がたくさん身につきます。

「マグロのスジ」
なぜか・・・近海モノのスジは柔らかいですよね。また包丁を入れてみると一目瞭然です。

「価格」
近海モノは天候=海のシケに左右されるので価格が不安定。“大間産”で言えば9月〜11月中旬までは比較的安定していますが、冬型気圧配置になる11月下旬頃から特に不安定で段々と高騰し、12月に入ると高値安定、クリスマスを過ぎますともう一段と高騰します。
逆に養殖モノは、生け簀からいつでも水揚げできるので出荷調整が可能です。つまり工業製品のような供給システムが整っているから安定しています。

  天然近海本マグロ生 養殖・蓄養本マグロ生
香り 有(微妙)
色見 赤っぽい ピンク〜白っぽい
色変わり 遅い 早い
旨み
脂質 よい 悪い
身質 150kg以上かっちり
100k以下は比較的柔らかい
柔らかい
マグロのスジ 柔らかい 硬い
価格 不安定 安定

 

{2}… 天然本マグロ (生) [近海] vs [ 外国 ]

〔天然本マグロ生/国産〕の2番手グループとして〔天然本マグロ生/外国産〕が続き、〔天然本マグロ生/国産〕が無い時季にすし屋、料理屋でかわりに使われる。
ランクはニューヨーク、ボストン、カナダがランク上で、身質が劣るという点でそのあとにスペインが続きます。両者の決定的な違いは一言でいえば、香りがあるかどうか、後味がよいか(サラッ〜としている)悪いか(くどい)です。つまり〔天然本マグロ生/近海〕は脂質が上質で、〔天然本マグロ生/外国〕は脂質が濃いということになります。

 

{3}… 天然本マグロ (冷凍) [ 北大西洋 ] vs [ 地中海 ]

天然本まぐろ【冷凍】の場合は2つに大別されます。
『北大西洋海域のアイルランド、ニューヨーク』と『地中海産のスペイン、モロッコ、リビア』になります。通常天然本まぐろといえば地中海産が多いです。

まず輸入時のマグロの形態が違います。北大西洋海域は船内で血抜きし内蔵を摘出後、姿形でマイナス60度で船内冷凍されるので鮮度、身質もよいです。逆に地中海産は船内で血抜きし内蔵を摘出後、マグロを背と腹に4つ割りにしてから冷凍するので、身が外気に触れるため鮮度、身質では、どうしても北大西洋海域に軍配が上がります。

また海域によっても違います。特にアイルランド産は捕れる海域が、寒冷地の最北端でこの辺りは水温が低く、体は締まっているし、低水温から内臓を守るために必然的に腹部分が厚くなってきます。厚くなるということは、脂がのってくることに比例してきます。特に上物に関してはグレードの高いものが多いです。逆に地中海産は産卵のためにジブラルタル海峡を通って地中海に来るわけですから、比較的脂のうすいマグロが多いく、海水温が高いので身質は弱い。

特に北大西洋産の上物は脂も旨みもあり、価格も平常時の天然近海本まぐろ生と遜色がない。

  天然本マグロ 【冷凍】 北大西洋 天然本マグロ 【冷凍】 地中海
獲れる量 少ない(特に良品は少ない) 多い
色合い 鮮やか 濃色で冴えていない
身質 しっかり 柔らかめ
価格 全体的に高い 全体的に低い

 

{4}… 養殖本まぐろ( 生) [近海] vs [ 外国 ]

われわれの業界では地中海、メキシコ、オーストラリア産は「蓄養マグロ」日本産のモノは「養殖マグロ」と呼んでおりますが、もちろん日本農林規格(JAS)法では、給餌した水産物はすべて『養殖』表記をするよう義務付けられているので、店頭では「養殖マグロ」も「蓄養マグロ」も同じ「養殖マグロ」という表記になります。

養殖は身質がやわらかく、たっぷり脂がのっています。

"養殖"とは稚魚(卵からかえったばかりの魚)から育てたまぐろ。若しくは、卵からふ化させた完全養殖のことを指します。(2002年7月に串本で成功)産地は、完全養殖に成功した和歌山の串本を始め、沖縄、奄美大島、長崎がこの部類に属します。

"蓄養"は言葉通り「蓄え養う」と書きます。若魚や成魚(成長した魚)特に脂の薄いまぐろを捕らえて生け簀でエサを与えて育てたマグロです。スペイン、マルタ、イタリア、トルコ、クロアチア、キプロスなどの本マグロ。オーストラリアのミナミマグロがこの部類に属します。

〔養殖本まぐろ生/近海〕VS〔養殖本まぐろ生/外国〕の違いは、餌の量とマグロの魚体に相関関係があるのです。

〔養殖本まぐろ生/近海〕の場合は、稚魚(卵からかえったばかりの魚)から30k〜150kぐらいまで育てるわけですから、人間に例えますと子供の時期から餌をやり続けているので脂が体全体に浸透しているそのような感じです。

逆に〔養殖本まぐろ生/外国〕の場合は、若魚や成魚(成長した魚)特に脂の薄いマグロを捕らえて育てるわけですから、人間に例えますと、少年期〜成人を迎える頃から餌をやり150k〜300k近い魚体に成育させるわけですから、元マグロの天然の身に餌がブレンドされていくので、どちらかといえば〔養殖本まぐろ生/近海】よりは天然寄りと判断すればよいでしょう。

例えば地中海産大型マグロで4月の捕獲時に同じ魚体150kgのマグロが2尾あったと仮定します。

生け簀からの水揚げ時期が9月から始まるので、最初のモノは9月に揚げされ、もう一方のモノは水揚げの終わる4月に揚げられたとしたら、この時点で7ヶ月の差があります。後のマグロは7ヶ月間エサを食べているわけでありますから必然的に脂の乗り具合が違ってくるわけです。つまりエサを食べる量によっても脂の乗り具合が変わっているということになります。

また同様に最初の捕獲時に100kgと200kgのマグロが2尾あったと仮定します。

生け簀から12月に両方水揚げしたとしたら、餌の食べる量にもよりますが、普通に考えるならば100kgの方が小さいわけですから、身に脂の付くまわりが早くなるので、より養殖っぽいということになります。逆に200kgの大きい方は、身に脂の付くまわりが遅く、まだ体全体に脂がまわっていないことになります。勿論地中海産の大型のマルタ、スペイン、イタリアに限ってのことです。ただ最近は研究の成果もあり、養殖マグロも以前に比べると色持ちがかなり良くなrり、五島(長崎)、山口(油谷)、奄美(鹿児島)は評価も高い。

産地 色合い 脂の乗り 身質 色変わり(目安)
大とろ 中とろ 赤身
スペイン ピンク〜
オレンジ
ピンク〜
オレンジ
赤〜
オレンジっぽい
3日後
マルタ ピンク ピンク〜
オレンジ
赤〜
オレンジっぽい
3日後
イタリア ピンク ピンク〜
オレンジ
赤〜
オレンジっぽい
3日後
トルコ ピンク〜
白っぽい
ピンク〜
白っぽい
ピンク〜
白っぽい
3日後
クロアチア ピンク〜
白っぽい
ピンク〜
白っぽい
ピンク〜
白っぽい
3日後
メキシコ ピンク ピンク 薄赤〜
赤っぽい
4日後
オーストラリア 白っぽい ピンク 薄赤〜
薄いピンク
2日後
山口・長崎 ピンク〜
白っぽい
ピンク 薄赤〜
赤っぽい
4〜5日後
沖縄・奄美諸島 ピンク〜
白っぽい
ピンク 薄赤〜
赤っぽい
4〜5日後
串本 白っぽい ピンク 薄赤〜
赤っぽい
4〜5日後

◆ ミナミまぐろ(インドまぐろ)の図式

天然ミナミマグロ【生】 vs 養殖ミナミマグロ【生】

天然ミナミマグロ【生】は、馴染みも食する機会も少ない。なぜなら水揚げされる時期がニュージランド産(4月〜6月)、インドネシア産(4月〜10月)で漁も少ないためです。水温の関係上、見質では明らかにニュージランド産に軍配が上がります。身がねっとりして、旨みがありますし、寿司ネタにピッタリとマグロです。赤身が冷凍よりも旨いです。インドネシア産は身が黒っぽくて余りよいマグロとは言えません。

養殖ミナミマグロ【生】は出始めの頃は人気がありましたが、最近ではメキシコ産に押されて人気も停滞気味です。色変わりも早いし、今の時勢に合っていない気が致します。
冷凍モノも同様で、最近では地中海産の押されて影がうすくなってきました。


天然ミナミマグロ vs 天然本マグロ

ミナミマグロは本マグロとよく比較されるが、魚体の骨格、身質、脂質など本マグロと明らかに相違している。

ミナミマグロは以前に比べて上物が少なくなったが、濃厚な脂と甘みの点で人気がある。

トロの部分に特色があり脂が濃厚で、濃醇な甘みがある。最上クラスにもなると大トロのスジさえもやわらかくとろけます。

本まぐろは脂のノリは落ちるが、特有の酸味と旨みがあり、どちらを選ぶかは好みの問題になるでしょう。


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