基本的には「本マグロ生」「本マグロ冷凍」「インドまぐろ冷凍」「メバチマグロ生/冷凍」「キハダマグロ生/冷凍」の5種類を使用しております。
- 1.絶対近海物しか使用しない寿司屋
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大阪にあれば使用しますが、なければ東京からでも高くても購入していますが・・・。
最近若手の寿司屋店主も多くこだわりの商売しております。 - 2.生のマグロしか使用しない。それが近海物、蓄養でも生であればかまわない。
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つまり看板が生で、産地はどうあれ、とりあえず生のマグロということでしょう。
そして生は、冷凍に比べてすぐに裁けて取り扱いやすいことが利点になります。 - 3.近海物があれば使用、なければ本マグロ(冷凍)やミナミマグロ(冷凍)も使用
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基本的に天然にこだわるお店といえましょう。このお店の特長は昔のマグロの味を知っていらっしゃる年配の方が多いようです。
また脂のある時のひっさげやよこわを使用するみたいですね。
ただおもしろいことにトロはミナミマグロ(冷凍)を使用するけれど、赤身はスペイン蓄養(生)を使用する寿司屋さんも何軒かございます。
なぜなら ミナミマグロ(冷凍)の場合、トロは旨みのある脂ものもありますが、赤身が黒っぽいとお客様に言われるので受けないとか・・・ - 4.ミナミマグロしか使用しない
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関西ではインドマグロと呼ばれ人気があります。このマグロにこだわりを持っている大将も少なくありません。
なぜなら大阪は近海物の入荷が少ないので、このマグロが一番品質が安定しています。
またお客様に対して生や本マグロと色々仕入れして味の嗜好が変わるよりは、トロの味を一定にしておきたいという意向もあります。 - 5.ミナミマグロ(冷凍)と蓄養マグロ(生)を併用
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なぜでしょうか・・・? 以前「出前」と「お店」とでマグロの種類を分けているということは聞いたことがあります。
- 6.蓄養マグロ(冷凍)しか使用しない
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個人で何店舗も展開しているお店がよく使用されています。脂があり、品質も安定している点が挙げられます。
- 7.ミナミマグロ(冷凍)とキハダマグロ(生・冷凍)もしくはメバチマグロ(生・冷凍)
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これは店舗と持ち帰り店舗を併用いるお店によく見受けられます。持ち帰りするということは、持って行くまでに時間がかかるので、着時点で折箱を開けてマグロが変色していたら大変ですよね。マグロは色が命ですから、マグロが変色していると他のネタまで悪くみえるので、出前には鮮度の良いキハダマグロ(生)もしくはメバチマグロ(生)を使用するわけです。
このデフレ化、お寿司屋さんも元気がないのかなぁ〜。
昔見たいに商品にこだわる”頑固なおやじ”が少なくなって来たような気が致します。
先代の社長がある頑固おやじに「マグロが悪かった」と道頓堀川に投げ捨てられたなんていうエピソードも遠い昔の話ですねぇ。
皆様もお寿司屋さんに行くとよく次のような会話を聞いたり、交わしたりすることがあると思います。
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お客
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「今日のお勧めは・・・」
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寿司屋
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「今日は生のマグロが入荷しております。」
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お客
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「じゃ それ握ってもらいましょうか」 なんてよくお聞きする会話ですよね。
昔は、冷凍マグロなどなく、生マグロを使用していたわけですが、ただ1960年代以降徐々に減少傾向にある近海本マグロは、更に減少速度を早めているような感じがします。
結果として近海本マグロの高騰、それに代わるモノとして世界各地から生鮮、冷凍、それに加えて国内、外国産の養殖と複雑多岐な構図ができました。
自分の好みで知る上でも、皆様も寿司屋に行かれた時は産地も尋ねてはいかがでしょうか!
2003.2.22