魚丸お役立ちコンテンツ まぐろ知識のあれこれ

なぜ塩水(海水と同程度3%) で解凍するの?

冷凍まぐろを美味しく食べるには、いかに解凍時のドリップ(うまみ・栄養分)を防ぐかがポイントです。 

冷凍時、マグロの細胞内の水分は凍っているが、解凍すると凍っていた水分が液体に変わり、体積が膨張しますこの膨張によって細胞膜が破壊され、体外にドリップとなって流出します。要するにいかに細胞膜の破壊を、最小限に留めるかであります。 

この濃度(3%)だと、浸透圧の関係により、マグロと塩水の間に水分の出入りが無くなり、ドリップの流出が抑えられる!

解凍後のまぐろは、時間が立つにつれて変色してくるの?

身肉の色が変色または黒ずんでくる"褐変"の現象は、血液中の成分"ミオグロビン"が空気に触れ、酸化することにより起こります。

冷凍マグロの解凍は難しいといわれます。解凍時にまぐろの肉は変色しやすいからです。通常、冷凍マグロの身の色は解凍していくにしたがって冷凍時の黒っぽいくすんだ赤色→鮮やかな紅色→褐色というように変化します。

この色の変化はまぐろの赤色の元になる成分、筋肉色素ミオグロビンが酸化することによっておこります。そしてこの酸化作用は-3℃から-10℃の温度帯でもっとも急速に進みます。

冷凍まぐろは釣られてから血抜き等の処理をしたあと-60℃で急速冷凍されるので、1年間は変色作用は起こらずに新鮮さを保ちます。しかし実際に解凍するときの温度上昇で-3℃〜-10℃の温度帯を通過します。だから解凍時にこの温度帯で時間をかけすぎると、変色が進みすぎて色が悪くなるわけです。
それからもうひとつ、冷凍マグロを解凍すると当然表面から解けだし、最後に内部の中心部分が解けることになります。

よく完全に解凍される方もいますが、中心までの完全な解凍を待つと、表面部分は解凍がすんでいるのになお空気にさらされてしまい必要以上に酸化にともなう変色が進みすぎてしまうことになります。ある程度解凍すれば冷蔵庫に保管してじっくり解凍するのがベストです。

 


解凍したまぐろを再冷凍してもいいの?

一度破壊された細胞膜が、また冷凍し解凍することにより、二度も細胞膜が破壊されるので、身が変色したり、風味を損なうので好ましくありません。


冷凍マグロは、家庭の冷凍庫では、どのくらい期間持つの?

冷凍マグロは、鮮度保持のため−50℃〜−60℃で超低温冷凍されています。家庭用の冷蔵庫は−15℃程度ですので、なるべく一週間以内にお召し上がりください。

マグロの保存状態が、表面が冷凍であっても、中身が時間がたつにつれて緩んでき、黒ずんだ状態になり鮮度が落ちて来るからです。また冷凍庫の開閉の回数が多いとあまり冷えないし詰めすぎると冷気の通りが悪くなるので、十分ご注意願います。


生まぐろを冷凍してもいいの?

冷凍マグロは、−50℃〜−60℃で急速冷凍されています。この場合−1℃〜−5℃【(最大氷結結晶成帯)→水分の80%〜90%が凍る温度】を早く通過する、つまり時間がかからないので、細胞の間の水分が小さな粒となって凍り、周りの細胞の破壊を抑制する。

 この粒が小さいということは解凍した時にドリップ(イノシン酸などの旨み成分・カルシウムなどの栄養分)を最小限に抑えることができる。 逆に家庭用の冷蔵庫は−18℃程度の緩慢冷凍ですので、−1℃〜−5℃(最大氷結結晶成帯)を通過するのに時間がかかるので、逆に粒が大きくなる。 

解凍した時に粒が大きい分ドリップ(イノシン酸などの旨み成分・カルシウムなどの栄養分)を逃してしまいます。 だから生マグロを食べた後、少し残ったのでもったいないからと家庭用冷凍庫で冷凍し、再度解凍して食べた時に「食感がイマイチ」「おいしくない」と感じたり、色が冴えない、色目が悪いなどはそこら辺りに理由があります。 

より急速冷凍のように近づけるためには、マグロを細かくまたは薄くして、発砲スチロールのトレイにのせて冷凍するのではなく、熱伝導率の良いアルミやステンレスのトレイにのせて冷凍することが望ましいです。 そうすれば美味しくいただけるようになると思いますよ。
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